【障壁多し…】 |本格焼酎新時代 | ③ムーブメントを起こせ

投稿者 : SaitaYoshiro on

前回(←クリック)からの続きです。

グローバル展開を目指す中で、最も考えないといけなことは『焼酎の在り方』です。世界各地にある蒸留酒(ウィスキーやブランデーやウォッカ)は基本的に『食後酒』であるのに対し、焼酎は『食中酒』です。蒸留酒=食後酒が世界的に広まっている中で、焼酎は食中の蒸留酒として存在しています。食中酒であるために、市販されている焼酎は25度や20度が一般的です。それを水割り、ロック、お湯割り等を行いワインや日本酒といった14度くらいのアルコール度数に近づいていきます。
焼酎もできたたて(原酒)は38度から43度くらいのアルコール度数を誇っており、先に和水し25度や20度に調整して市販されています。

この度数については、輸出を目指す焼酎メーカーも課題視しております。「焼酎を蒸留酒として原酒で輸出するのか」それとも、「焼酎として25度や20度で出し食中酒として輸出するのか」と価値観はそれぞれです。フエフーズはベトナムでも他社が作っているウォッカやウィスキーとは比較しない『焼酎』として25度で展開しています。しかし、日本食レストランがメインとなってしまっているのは否めないです。『ベトナムから世界へ』を掲げる以上は、弊社も考える必要があります。自分自身は経験上、蒸留酒として世界を目指すのがベターかと思っています。その人の覚悟次第でニーズは作れるとも思っていますので、『焼酎』として世界中で食中酒として飲まれる未来になるかもしれません。


<ハイブリット特性>

焼酎の特性は大きく3つに分類されます。

①主原料(芋、米、麦等)や水質の違い
②作り方の違い(手作りor機械)
③理念の違い(カメ仕込み、蔵にいる菌を使う、原料の仕入れ等)

この組み合わせで作っていきます。そして共通しているのが『蒸留』過程です。主原料を用いて発酵させてできた醪を蒸留させることで焼酎ができます。そこから熟成をさせて流通していきます。
この蒸留は、本来日本にはないテクノロジーであり江戸時代に中国からタイ王国を経由して日本(琉球)にやってきたとされています。
この技術を応用し、近代では減圧蒸留や常圧蒸留という大きく2種類のわけた蒸留を行い、さらに穀類以外である『そば』を用いたり、地域独特の文化として根付き日本中に浸透していっていきました。

 

≪まとめ≫
10年前と今とでテクノロジーなどは大きく変化していきましたが、焼酎の輸出量に目立った変化は見られません。第4次ブームも日本国内で起きていないという悲しい時間が過ぎてしまっています。無形文化遺産を目指す以上は『焼酎』というものをもっと本質的に理解していく必要があるのかなと思っています。日本で最も飲まれている『日本(の蒸留)酒』『食中に飲む、蒸留酒』として世界でどれだけ通用するのか、我々造り手も飲み手も向き合っていきたいと思います。

 

ーーー本日のおススメーーー

故郷の涙。米焼酎の原酒です。麹菌はベトナムにあるやつで米麹を作っています。世界で活躍するベトナム人がこれを飲んで故郷を思い出してほしいという思いを込めて作られました。このラベルは日本にある限りの販売となっており、ベトナムでも終売しているとてもレアな焼酎です。(詳細は画像をクリックください)

 

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