【悲しき現実】ベトナムのSAKE「越の一」が日本で飲めない理由。。。
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すごくマニアな方しか飲んだことがないベトナムのSAKE「越の一」は実は日本では飲めません。正確には買えません。ブランディングで飲めないならいいんですけど、品質面での課題があるのが現状です。
飲めない理由が一言で片づけるなら、【品質】なのですが、なぜ品質なのかということを説明したいと思います。そしてどのようにしてお客様に飲んで頂ける未来を作っていくかを述べていきたいと思います。
【直面している課題】
1. 米の違いによる味の変化が激しい
日本で造られている日本酒は主に酒造適合米という専用の米を使用されています。食米と違う点は簡単に言うと心拍の大きさです。フエフーズでは、インディカ米(ジャバニカ米)で仕込んでいます。理由は、酒造適合米が存在しないのと、現地の料理とのペアリングを大切にしているからです。現在フエフーズで使用しているこの米の欠点は、鉄分が多く含んでいることと心拍が少ないため、酒造りで最も大事な麹造りが非常に難しいです。杜氏の技術がすごいので毎年順調に作れていますが、常夏の気温とベトナムにおける酒屋の保管の教育がまだまだ不十分であるため、出荷した当時の味とは違うテイストに変わってしまいます。日本酒でも多々見られるのですが、それ以上に早く変化してしまいます。
2. 物流における不安面が大きい
日本の物流はとても素晴らしいので日本に着きさえすれば大丈夫ですが、ベトナムでの物流は課題があります。。。ベトナムでは陸路もしくは空路の交通手段がメインとなっており、電車はまだキチンと整備されているとは言えない環境です。空路でのアルコールはとてもセキュリティが厳しいうえにコストが高くなるので必然と陸路になってしまいます。常夏のトラックで陸路は味の変化が起きやすく、保管同様まだまだ時間がかかるかもしれません。
3. コスト面での課題
現在国内で販売する際は、空輸で考えていますが結構お値段がすごいことになります。コストを抑える方法は、1コンテナ丸ごと冷蔵で船で持ち込むことですが、それでも日本の1本あたり2000円以上の値段になってしまいます。このコストで1コンテナを定期的に売上をあげることは弊社の営業力では厳しいのが現実です。
【これからの話】
できない言い訳ばかりしてても話は進まず、劣化したうちのSAKEが日本に届いているのを目の当たりにしているので早急に解決すべき問題と認識しています。コストに関しては、自分たちが商品の価値を高めていくしかないと思っています。
杜氏の方針はずっと変わらず「常夏でも自分たちの味を調整できる酒を造る」「30度以上で安定した酒質」を目指しています。長年作っているせいか2020年は一番いい仕上がりができてきたため、テストで日本に入れることとなりました。コロナで物流にかなり時間がかかるようになったので、販売まではたどり着けませんでしたが、販売はもうすぐできるようになるのかなと思っています。これが実現できると、自分たちの「ベトナムから世界へ」が一歩進んでいくのだと思っています。
日本からベトナムに技術が伝わり、ベトナムから世界へ、日本のSAKE文化を広めていく一助にフエフーズがなれればと思っています。